3家族が集う“村”のように [KWH]

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ご両親世帯、そしてお子さんであるご兄弟それぞれの世帯の、計3世帯が住む住宅です。

はじめは、弟のK様が、住んでいる古い家をご自分用に改修する計画でした。
やがて、K様はお嫁さんをもらうことになり、計画は「新しい家族のための家」へと変更になりました。
しばらくすると、K様のご両親もこの地に住まわれることになり、計画は「2世帯住宅」へと拡大しました。
さらに今度は、お兄様も加わり、全3世帯、計5人のご家族がこの地に集まることとなったのです。

核家族化が進行しているこの時代に、バラバラだった家族が再び集まって一緒に住むとは、なんて素晴らしく微笑ましいことでしょうか。

家に対する希望を伺ってみると、趣味も価値観もバラバラの3世帯でした。
それらを尊重して3つ別々の家を建てることも可能でした。
ですが、せっかく3世帯がひとつの場所に暮らすのだから、それぞれの個を主張しながらも、一つの”集落”として共通の”作法”を持った”村”を作りたいと思い、提案したところ、3世帯の皆様全員が賛同してくれました。

計画地周辺は、農地が広がる環境にあり、”村”を出現させるには格好の立地でした。
外観は小さなヴォリューム(固まり)が重なり合って一つの景観を構成するように、何度も模型を作ってはシミュレーションを重ねました。

一方、それぞれのブロックの内部は、家主の個性に合わせて独自の世界を展開させています。
黄色をテーマカラーとした「親世帯」は、平屋で、落ち着いた空間に。
青色の「子世帯」は、リビングからガレージの愛車を眺められる構成とし、インテリアも船の内装のようにして、大人の遊び心をくすぐる空間に。
赤色の「子世帯」は、明るく開放的な吹き抜けを持つモダンな空間に。
3世帯3様の、個性ある居住空間が完成しました。

完成後しばらくしてからお邪魔すると、また新しいご家族が増えていました。

お子様の元気な声が響き、ますます”村”らしい佇まいになっていて、とても嬉しい気持ちになりました。
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建設地 茨城県水戸市
構造 木造 2階建て
敷地面積 519.20㎡
延床面積 289.32㎡
竣工 2006年12月
業務内容 新築設計監理
担当 佐藤昌樹 小川由紀子