「こうしたい」がそれ以上になった 終の住処づくり

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  • Eさま
  • 夫婦、子供
  • 茨城県水戸市
  • 2015年4月
これまで住んでいた家は、終の住処にするつもりで大手のハウスメーカーに頼んで建てたもので、42坪ほどある重厚な雰囲気のいい家だったのですが、震災で少しいたんでしまいました。
加えて、私が古い人間のせいか、とにかく物が捨てられなくて。
地震の影響もあって家の中に物が散乱するなか、気分がふさぎ込み「もうこの家に住んでいられない」という気持ちが日に日に強くなっていきました。
もしも自分に何かあったときに、これでは子どもたちに迷惑がかかる。
そして何より自分自身がふさぎこんだまま、やりたいこともやらずに時間が過ぎていってしまう。

お金はかかるけれど、最後にもう一度がんばってみよう、自分のための終活をはじめようと思ったのが、家を建て直そうと思ったきっかけです。

エイプラスの佐藤さんとは同じロータリークラブの仲間で、日頃から信頼する方だったし、私の知り合いが佐藤さんの設計で家を建ててとてもよかったと言っていたこともあって、迷うことなくお願いしました。
「家を建てたいんだけど」と言っても、前の家をご存じだったせいか最初は本気にしてくれなくて、会うたびに言い続けていたら、あ、本気なんですね? じゃあ僕も真剣に考えますよってやっと応えてくれました(笑)。

設計については、最初に私の希望をまとめてお伝えして、あとは基本的に全部おまかせしました。

私もものづくりの仕事に関わっているのでわかるのですが、まずは携わる人たちが気持ちよく仕事をしてくれないといいものってできないんですよね。
その意味でも、最初にこちらの要望をはっきりと伝えておくことは重要です。
で、もし途中で気持ちが変わったら、そのときは変えられるかどうかを聞けばいい。
正直、素人が途中の細かいことに口を出しても、いいものはできないと思いますよ。
「最終的にこうなるようにしてほしい」という希望をはっきり伝えることがいちばん。

私は終始そのスタンスで通しました。
そして、それで大正解でした。
だってね、建築士に頼む家ってほんとにすごいんですよ。
こうしたいっていったら、本当にそのとおりになるんです。
いえ、もっと正しくいうと、私のこうしてほしいっていう要望に、佐藤さんの知識と技術が想像以上のかたちで応えてくれたっていう感じですね。それはもう驚きの連続でした。

ちなみに、佐藤さんに伝えた私の要望は次の4つです。
1.できる限りお掃除しなくていい家(可能な限りフラットな家)
2.つり戸棚や床下収納がない家(収納したものが一望できる家)
3.のぞかれない安全な家
4.明るい家

佐藤さんはこのすべてに応えてくださって、そのひとつひとつに私は感嘆したのですが、中でも、私がいちばんに佐藤さんの才能を感じたのは、LDKの作り方。

ここの敷地は会社の駐車場に面していて人の出入りが多いので、LDKは私の希望で、四方をすべて壁で閉じてもらったんです。
そうしたら佐藤さんは、その四方を壁で囲んだ空間の天井をぐっと高くして、上部の天井付近の壁面に沿って横長の連続した窓をつけてくれたんです。
お陰で、LDKは信じられないほど明るく開放感のある空間になりました。

下から窓を見上げると、昼間は空や雲、夜は月や星が時間とともに動いていくのがわかって、空想が広がります。
ここに奮発してお気に入りの家具を揃え、お友達を招いて楽しくおしゃべりしたり、ひとりで好きなだけ映画や本や音楽に没頭できるのだと思うと、ただただうれしくて胸がいっぱいになります。
本当に佐藤さんに頼んで家をつくってよかったとつくづく思います。

今回は、じつは私にとって3度目の家づくりでした。
1度目はリフォーム、2度目が新築、そして3度目の今回こそ、真の終の住処ができました。
これまでの経験をふまえて、これからはフラットに暮らすこと、そしてもう物を増やさないことを心がけます。
最初から手抜きで生活できるような工夫をあちこちにしてもらったので、きっと快適な空間を維持していけると思います。

とりあえず、困ったときにはすぐ来てもらえるように、佐藤さんとはこれからも仲良くしておこうと思っています(笑)。