大人の「遊び場」、プレミアムなガレージハウス

水戸市の大きな池のほとりにご自宅を持つTさまが、新築された「ガレージハウス」です。

ご自宅の設計をエイプラス・デザインが担当させていただいたご縁で、今回の「ガレージハウス」についてもプランの段階から声をかけていただきました。

当初は、ご自宅に続く土地を新たに購入したので、そこに趣味にされている車を4台ほど納められる「車庫」を建てたいとのご要望でした。

さっそく土地の調査を開始したところ、その土地には法律上、「住宅」と同面積の「車庫」であれば建てることができるが、車庫のみを単独で建てることはできないということが判明しました。

そのことをTさまにお伝えすると、「そういうことであれば、きちんとした住宅と車庫をつくりましょう」と決断され、あらためて、バーカウンターを設えたLDKをメインとする趣味の空間のような「住宅」と、愛車を納めるための「車庫」を合体させた、「ガレージハウス」をつくることになったのです。

当初、Tさまは内装について、あえてラフでヴィンテージ感のある雰囲気を希望されていたのですが、計画を進め、ご自身でもいろいろと情報を集められる中でイメージが変化していき、最終的に床材は、車庫側もLDK側も全面に光沢あるタイルを用いて、ショウルームのような内装を目指すことにしました。LDK側も靴のままで過ごす空間としています。

車は、建物後方の通りに面した側に付けたシャッターからガレージハウス内に入ります。

LDKには、バーカウンターのようなアールを描くキッチンを設えました。その壁面は、ご主人の「何か変わったおもしろい素材で」とのご要望に応え、左官塗り仕上げとして、個性的ながら落ち着いた品を醸す表現としています。

LDKは車庫部分よりも一段高くなっていて、LDKと車庫の間には、全面ガラスの引き戸を入れました。

車庫と中庭の間も全面ガラスの大開口としたので、LDKに置いたソファやカウンターのスツールに座ると、中庭を背景にした最高のシチュエーションで、ご自慢の愛車の姿を眺めることができます。

季節によって、2つのガラスの大開口を開けたり締めたりすることで、そのときもっとも心地よい環境を創出しながら、ときにはお一人で、ときにはお仲間たちとともに、ゆったりとくつろぐ、大人のための上質な遊びの空間が完成しました。

LDKには大画面のテレビを設置してあるので、映画観賞などを楽しむこともでき、また、LDKは車庫よりも一段高くなっているので、そこをステージに見立ててちょっとしたミニコンサートなどを催したりもできそうです。

道路から中庭にかけては、車が通れる通路をロータリーのように配置し、ご主人がタクシーで帰宅されたときなども、スムーズにご利用いただけるように工夫しました。

また、外観については、ご自宅と同じ素材を使用して統一感をもたせています。

担当させていただいたおかげで、大人のための趣味とくつろぎの空間デザインに携わることができました。

貴重な経験を可能にしてくださった、Tさまの洗練された感性と遊び心に感謝しています。


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建設地 茨城県水戸市
構造 S造平屋建て
敷地面積
延床面積 140㎡
竣工 2017年2月
業務内容 増築工事監理
担当 鈴木崇也